歌川広重 浮世絵美人画「極彩色・今様うつしゑ」

19,800(税込)

水茶屋の看板娘が草双紙を読みふける姿を巧みにとらえた爽やかな作品。
美人画に力を注いだ若き広重ならではの感性が、初々しい女性の魅力を清潔感あふれる筆致で描き出しています。

本作品は、江戸時代から伝わる浮世絵木版画の技法を継承する彫師と摺師によって、1枚1枚すべて手作業で制作された浮世絵木版画です。

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000000000287
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歌川広重 浮世絵美人画「極彩色・今様うつしゑ」の詳細

歌川広重 浮世絵美人画「極彩色・今様うつしゑ」

文政初年に画壇へ登場した若き日の歌川広重は当初、浮世絵の主流である美人画に力を注ぎ、当時の世間でも彼は「若女絵」を描く絵師として評価されていました。 広重の初期の美人画は、同時代の著名な美人画絵師である歌川国直の写実的な作風に影響を受けています。

文政期の美人画は、衣装の色合いこそ地味ながら、洗練された艶やかさを内に秘めた表現が特徴で、広重もこの様式に沿った作品を多数制作しました。 その中でも「外と内姿八景」と、本作を含む「極彩色・今様うつしゑ」は、双璧をなす優れたシリーズとして知られています。

「今様うつしゑ」シリーズは全12枚から成り、筆致から文政4年(1821年)頃の作と推測されます。 各図にはコマ絵として「写し絵」が描かれ、主図には市井の女性の風俗姿が表現されています。 「写し絵」とは、ガラス板に絵を描き、背景を黒く塗ったものの裏側から蝋燭の光を当て、障子などに投影して楽しむ娯楽の一種です。 当シリーズのコマ絵には草花、玩具、人物風景など多様なモチーフが描かれていますが、本図とどのように関連しているのか明確でないものも少なくありません。

本作では、水茶屋の美人と鉢植えの写し絵が組み合わされていますが、両者の関係性ははっきりしません。
しかし、水茶屋の看板娘が草双紙を読みふける姿を巧みにとらえたこの作品は、見る者に爽やかな印象を与えます。

若き広重ならではの感性が、初々しい女性の魅力を清潔感あふれる筆致で描き出しています。
特に、鶸色の襟元は、この時期特有の色気を感じさせます。

また、カット風にデザインされた雪輪模様の中には、「御かほの薬 美人仙女香 南てんまいなりよこ丁板本うしせい」と記されており、これは京橋の坂本氏が製造した白粉「仙女香」の広告です。

幕末期の錦絵ではこうしたコマーシャル要素がよく見られ、本作の美人もこの化粧品を使っていることを暗示しているのでしょう。

歌川広重 浮世絵美人画「極彩色・今様うつしゑ」を飾ったイメージ写真

歌川広重(Utagawa Hiroshige)

歌川広重

江戸時代後期に活躍した浮世絵師。 火消家業を身内に譲り画業に専念し始めると、1833年(天保4年)頃には東海道の宿駅とその周辺の景色を詩情豊かに描いた55図の浮世絵シリーズ「東海道五十三次」(保永堂版)を刊行。 名所絵と呼ばれるこれらの作品は当時の旅ブームに乗って大ヒット、広重は一躍人気絵師となり風景画家としての地位を確立します。 その後も「東海道」シリーズや「木曾海道六拾九次之内」、「冨士三十六景」など名所絵を数多く手掛け、その抒情詩的な作風はゴッホやモネなどの西洋の画家にも影響を与えました。 また、風景画だけでなく花鳥画や戯画作品など他ジャンルでもその名は知られています。

全て手作業で1枚1枚作られる江戸伝承・浮世絵木版画の制作工程

この浮世絵木版画は、江戸伝承の古法による純手彫り純手摺りであり、
技術者は文化財保護第八十三条によって認定された浮世絵木版画彫摺技術保存協会に所属しています。

江戸時代より師弟関係で紡いできた職人たちの「彫り」「摺り」の匠の技によって
人間国宝の岩野市兵衛が漉く最高級の和紙「越前生漉奉書」に
一枚一枚、すべてを手作業で制作する浮世絵木版画になります。

  • 01.下絵
  • 02.本絵
  • 03.彫り
  • 04.摺り
  • 05.額装

01下絵

下絵を描いているイメージ写真

版元(版三のプロデューサー)は浮世絵木版画の企画を立て、絵師と共に題材やキャラクター、構図を考えます。

絵師はこのイメージに基づいて、最初にラフ(下絵)を描き、版元と意見を交わしながら修正を繰り返して納得のいく下絵を完成させていきます。

下絵だけで何十枚、何十種類もの絵を描くこともあり、皆が納得いくまで修正を繰り返し下絵を完成させます。

02本絵

本絵を描いているイメージ写真

本絵では、絵師が下絵から全体の色の校正や要素の詳細、線の一本一本まで細部にわたって描き込みます。

最近はパソコンを使用して描くことも多く、下絵と同様に、版元と意見を交わしながら納得するまで何度も修正を繰り返します。

最終的に構図や色が確定したら、彫りや摺りの工程のために色の数や色の重なり方、線の太さなどを整え本絵と共に版下絵が完成します。
本絵でも、1本の線の書き直しや位置の調整、色の濃淡の違いなどの調整を幾度となく繰り返し完成させます。

03彫り

彫師による実際の彫り作業

多色刷りの浮世絵木版画の制作は本絵の色数ごとに木版を分けて制作しますので、絵柄の色数の数だけ木版を彫らなければなりません。
浮世絵は細かい線や模様が特徴であり、1ミリでも誤差があると全体の印象を大きく変えるため、彫りの作業には高い精度が求められます。

木版は主に桜の木が使われますが、木の質や硬さによって難しさも異なり、本絵に忠実に彫り進めるのはもちろん色に現れない背景の部分も含めて全て手作業で行います。 このように繊細に作られた版木は何千回も摺りを行うことが出来ません。そのため、浮世絵木版画はすべてが限定生産となっています。

04摺り

摺師による実際の摺り作業

人間国宝の作り出した和紙に、丁寧に一色一色を摺り重ねていく作業です。
各色の版木を正確に位置合わせして塗料を紙に摺り込むのですが、絵柄がずれないように見当(版木上に彫られた溝)に紙を置いて数十回も色を摺り重ねる作業であるため、職人の手の感覚、色の順番や重ね合わせの技術、スピードなどが非常に重要となります。

さらに馬連という道具で紙に摺る際にも、絵に1ミリのズレも生じさないように均一に圧力をかける熟練の技が必要となります。 また、色合いは実際に摺ってみないと分からないため、何十回も変更を行いながら理想の色に仕上げていきます。

05額装

浮世絵木版画の額装

浮世絵の寸法は現代絵画と異なるため、既成の額縁では最適なサイズを見つけるのが困難です。
作品が美しく見えるようにバランスを考えて、数十種類のフレームとマットの中から何パターンも組み合わせを行い最適なものを選び抜きます。

高級感があり、コストとのバランスも考えながら、絵に最適なフレームとマットを使用することで、一つの作品として完成させます。

実際の浮世絵作成の風景(甲州石班澤Ver.)

実際に浮世絵工房の職人たちの、葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景 甲州石班澤」の作成風景をご確認いただけます。
彫り、摺り、和紙の制作工程だけでなく職人たちのこだわりなどを語ったインタビューもご確認いただけます。

この商品の詳細と素材やサイズ

商品名歌川広重 浮世絵美人画「極彩色・今様うつしゑ」
商品内容浮世絵木版画、専用額(希望者のみ)
お届け順次発送
サイズ(絵)縦39.0cm × 横25.0cm
サイズ(額)縦51.0cm × 横35.0cm
素材(絵)越前生漉奉書(人間国宝 岩野市兵衛)
素材(額)額:木製、表面:アクリル
技法江戸伝承手摺手彫木版画作品

版三の浮世絵木版画の特徴

版三が作る浮世絵木版画だけの特徴があります。
他とは違う、版元である浮世絵工房の木版画だからできる違いをご紹介します。

越前和紙 生漉奉書紙

越前和紙 生漉奉書紙

上質な楮(こうぞ)100%でつくられており、人間国宝・岩野市兵衛氏が長年の経験と卓越した職人技で一枚一枚手漉きした最高級の越前和紙。絵の具をスッと吸い込む柔らかさと発色の良さ、何百回もの刷りに耐えられる強さを兼ね備えています。

手彫り・手摺り木版画

手彫り・手摺り木版画

木版画の彫摺は江戸伝承の古法による純手彫り純手摺りで、木板の表面に僅か1mmという世界で線を浮かび上がらせ一色ごとに手摺りで和紙に色付けていく伝統的な印刷技法により仕上げられています。

技術者は文化財保護第八十三条によって認定された浮世絵木版画彫摺技術保存協会に所属。
彫師・摺師の木版画制作技術は国指定の文化財「重要民族文化財選定保存技術」に選定されています。

浮世絵専用の額装

浮世絵専用の額装(希望者のみ※別料金)

浮世絵の寸法は現代絵画と縦横比が異なるため、既成の額縁では最適なサイズを見つけるのが困難です。 より作品が美しく見えることを考慮し、版三がオーダーした高級感ある額縁に入れてお届けいたしますので、そのまま飾ってお楽しみいただけます。

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