「今昔絵」とは、現代の絵を漫画風のイラスト調にし、昔ながらの日本画や浮世絵のような雰囲気に仕上げた作風を示す造語です。
「今昔絵源氏物語・創」は「今昔絵源氏物語・造」との続き絵。構図は「アダムの創造」をオマージュしています。
紫式部は光源氏なるキャラクターを通して当時の貴族社会の恋愛の実情や人間という存在の業、終わりのない悲しみや苦しみを千年以上も前に巧みに描きました。続き絵の「創」と「造」はその「創造力」を讃えて付けた題名です。
天上人の世界(貴族社会)から地の世界にいる若紫へ向かって近寄ろうとする光源氏。 近いようで遠く、まだ先がわからない物語の始まる直前を描いています。